【 木のはなし 〜 センノキ② 】

シリーズ完です 笑
斎藤さんは卒業しましたが、せっかくなので。
木工作家 斎藤綾子のひとりごと。

センノキの木肌を丁寧に指でなぞると、僅かながら、凹凸を感じます。目を凝らして木目の線をよく観察してみると、木目の線の部分には、無数の穴が集まっていて、それが凹凸の正体であるようでした。センノキに、拭き漆を施すと、この無数の穴に漆がすり込まれ、より木目が際立ちます。その様子がとても美しいため、木地材としても多用されているそうです。

東北育ちの私にとって漆は身近であり特別なものでもあります。母は青森県津軽地方の出身ということもあり、恐らく嫁入り道具であったであろう、茶箪笥やお箸、茶托などの生活の品々は、あの艶やかな津軽塗でしつらえてありました。幼い頃、その不思議な文様と、限りなく滑らかなその質感に、虜になっていたことを覚えています。特に、茶筒の蓋の柄(がら)がずれていようものなら執念深く、くるくると回し、絵を合わせていたものです。ですから、ものづくりを始めてからは、漆という歴史ある塗料に、強く憧れ、いつか挑戦したいと考えていました。そんな時のこと、町内の居酒屋十一さんが、四十周年を迎えられたうえに、町産材で作られた椅子を新たに導入されたということで、そのお祝いにぐい吞みをプレゼントしようという話が持ち上がりました。

ぐい吞みを作ることになり、真っ先に漆を使ってみたいと思いました。初めての漆ですので、まずは拭き漆にしよう、ならば、それが映えるのはセンノキがいい!…完成したぐい吞みは、居酒屋十一さんにありますので、ぜひそれで一杯ご賞味下さい。おすすめは、熱燗です。


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