【 木のはなし 〜 センノキ① 】

木工作家 斎藤綾子のひとりごと。

「祖父母が暮らした家を解体することになり、思い入れのあるこの家の柱で、何か記念になるものを作って欲しい。」そんな依頼を受け、煤に包まれた趣のある古材を預かりました。ノコを入れて切り進むと、覚えのある香りがしてきました。「この香りはもしや…」材を切り終え、切り目を開くと、白く艶めく華やかな木目が表出しました。「この香りにこの木目は…センノキだ!」建材=針葉樹というイメージが強かったため、意外な出会いに心が沸き立ちました。

早速、建築材に詳しい周辺の知り合いに聞き取りしたところ、「屋内の人目に付く柱などに木目の美しい材を使用したりすることはあるが、一般的には針葉樹が多く、柱や梁に、無垢の広葉樹を使用するのは、いわば贅沢使い。柱にセンノキを使っている事例はまれに聞く程度」との事。この木は、ウコギ科ハリギリ属の木で、センノキと言うのは、実は別名で、正式な樹木名はハリギリ(針桐)と言います。漢字の通り、刺のある桐という意味から付けられたらしく、若木の幹部や新枝に鋭い刺があり、葉や材が桐と似ているからそう名付けられたと言われています。木目が美しく、漆生えもするので、木地材としても多用されています。豪快さと艶めきを併せ持つこの華やかな木目は、つい見入ってしまうものの一つです。柱にセンノキを採用したこの持ち主の気持ちがよくわかります。

因みに、天塩中川駅の交流プラザにある、あの大きなテーブルは、センノキで出来ています。ぜひとも、愛でに行かれてはいかがでしょうか?来月のotocafeで、1人個展をやりますので是非お越しくださいませ。詳細は追ってお知らせいたします。


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